二輪教習 バイクを傾けるコツ2!コーナーで傾いたバイクの起こし方

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る
バイクの起こし方アイキャッチ

教習所に入って初めてバイクに乗ると、バイクを傾けるのが怖いですよね。バイクで転ぶと痛いし、200 kgもある鉄の塊が倒れちゃったら引き起こしは大変です。一方、コーナーで傾いたバイクを引き起こすのには、実は力はいりません。あなたに代わってエンジンがバイクを引き起こしてくれます。この感覚をつかめばもうバイクを傾けるのは怖くありません。

バイクの運転に力はいらない?

よく「バイクの運転に力はいらない」という話を聞きますよね。この話、半分正しくて半分間違いです。バイクが止まってる時の取り回しや引き起こしでは、やっぱりある程度の力が必要です。立ちゴケしそうなバイクを支えるときも力があった方が有利です。バイクは所詮鉄の塊なので重いです。

傾いたバイクはエンジンが引き起こす

一方、エンジンが回っているとき、つまり走行中コーナーで傾いたバイクを引き起こすのなら筋力はいりません。走ってるときに傾いたバイクはエンジンが引き起こしてくれます。この感覚を信じることができるようになればいつでも思い切ってバイクを傾けられるようになります。

例えばスラロームで曲がるときはまずバイクを傾けて曲がっていきますよね。そしてバイクが傾いた後に再びアクセルを開けるとあらふしき!バイクは前に進みながら直立してきます。

二輪教習スラロームでのバイクの起こし方

S字の場合なら一つ目のコーナーの後半でアクセルを開けるとバイクがやっぱり垂直に立ち上がりますよね。

二輪教習S字のバイクの起こし方

外周コースの大きなコーナーでも同じです。バイクが曲がり始めて傾いた後に、コーナーの出口に向かってアクセルを開けるとバイクは自然に直立してきます。これ、ジャイロ効果といってとても大事です。クランクだろうが交差点だろうが、曲がり角で傾いたバイクはアクセルを開けると必ず起き上がるんです。

だから、指導員に「もっとバイクを傾けて!」と注意を受けているあなた、バイクを信じて傾けちゃっても大丈夫です。ジワっとアクセルを開ければバイクのエンジンがあなたとバイクを引き起こしてくれます。重いバイクを引き起こすのはあなたではなくエンジンなんです。次の教習では、コースを曲がるたびに「顔向け→バイクが傾く→アクセル開ける→バイクが起き上がる」とぶつぶつ言いながら走ってみてください。

正しいタイミングでキッカケを与える

二輪教習バイクはエンジンが起こす

バイクは走るためにつくられた機械なので、正しいタイミングでキッカケを与えてやれば自然と倒れるし自然と起き上がります。あとはいかにバイク自身に走らせて、あなたはその上にうまいこと乗り続けられるかがポイントです。

スラロームでも小回りでも、人間の役目はバイクを力で傾けたり引き戻したりすることではなく、傾いたり起き上がったりするキッカケをバイクに与えること、そしてバイクの動きを邪魔しないことです。あとはバイクが勝手に走ります。

二輪教習って単に操作方法を覚えるだけじゃなく、この「どんなタイミングで適切なきっかけをバイクに与えるのか」ということと、「いかにバイクの動きを邪魔しないか」っていう練習なんです。大丈夫、バイクを信じてあげましょう。

ちなみに、クランクのコツその3でも触れてますがバイクが傾いている時にクラッチ切ったり前ブレーキかけると、バイクはそのまま倒れます。どちらもエンジンの回転がタイヤに伝わるのを止めてしまう操作なので、ジャイロ効果がなくなります。スラローム、クランク、小回りでの転倒は、このケースが多いです(アクセル開けすぎでぶっ飛ぶというパターンもありますが・・・)。

ジャイロ効果をいかにうまく使うかは、教習所だけじゃなく公道に出てからもとても重要です。ジャイロという言葉はさておき、アクセルを開けると倒れたバイクは起き上がるということを覚えておきましょう。

わかっていても、バイクを傾けるのはやっぱり怖いです。この怖さを解消するには何回もくり返して慣れるしかない。だから最初は小さな傾きでOKです。何度もくり返せばアクセルを開けると倒れたバイクは起き上がるということが実感できます。そしていつかそれがあなたにとってあたり前になります、絶対に。

疑問に思ったことや、もっと知りたいことがあれば、気軽に下のコメント欄に書き込みしてください。なるべく記事にして皆さんとシェアしたいです。こんなことで悩んでるのは私だけでは?いえいえ、結構、みんな同じことで悩んでますから。

お知らせ

孤独にがんばる二輪教習はつらいですよね。「ワラにもすがりたいそこのあなた、サロン参加をまってます!

 

バイク乗りのLINEスタンプができました。詳しくはこちらバイクのLINEスタンプ

バイク初心者サポートラボが電子書籍になりました。詳しくはこちら

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。

コメント

  1. はぅ より:

    Gon-Kさん。

    度重なる質問に早々のご回答をありがとうございます。

    非常に論理的で分かり易い御回答に感謝しております。

    「バイクが起き上がって安定しようとするジャイロ効果は後輪が自律的に回転して初めて生まれるため、リアブレーキをかけることとジャイロ効果が生まれることの間には関連がないと思います」

    お恥ずかしい話ですが、今まではチェーンにテンションが掛かる=ジャイロ効果だと錯覚していました。「後輪が自律的回転」と云う言葉で全てが理解出来ました。
    考えて見れば、リアブレーキを掛けると車体は寝やすい事は体では体験しているのに、理論的には全く理解せずに運転をしていました。

    「バイクを倒す方向に働きます。教習所のスラロームなんかでリアブレーキを踏んで倒し込みのきっかけにしましたよね。」
    「むしろリアブレーキはジャイロを止める働きをします。」

    確かに仰られる通りです!考えて見れば、確かに「極低速での左折小回り」の時や「グリップ走行で左折大回り」した場合、リアブレーキを効かせると車体は安定して寝て来ました。
    また、コーナーリング時、きっかけにリアブレーキを踏むと倒しやすいです。

    Gon-Kさんに質問をして良かったです。
    危うく公道で「クラッチ切り+リアブレーキ」を試してみるところでした。

    いつも何気になしに運転をしていたのですが、最近になって、理論的に何も理解をしていなかった事に気がつき、これではいつか事故ると思い、暗中模索してネットで調べ捲っていた所、Gon-Kさんのサイトに巡り会いました。

    教習所でもライディングスクールでも質問をすると演技は見せてくれるのですが、何故そうなるか、バイクはこういう理論で、この様に動いていると云う事を明確に説明をしてくれる教官は少なかったです。

    これからもお世話になる事が多々あると思いますが、何卒、宜しくお願い致します。

    今回はご丁寧かつ理論的に分かり易い御説明をして頂き、誠にありがとうございます!非常に助かりました。

    1. Gon-K より:

      はぅさん
      疑問が解けて良かったですね。当ブログが少しでもお役に立てば嬉しいです。これからも、バイクライフを楽しんでください。
      応援しています!

  2. はぅ より:

    Gon-Kさん。

    新年早々のご回答をありがとうございます。

    クラッチを切りながらのターンの御説明、メリットとリスクを同時に挙げて頂いたので、とても分かり易かったです。

    再度質問で恐縮なのですが、
    ①クラッチを完全に切って左折小回り中に、途中からリアブレーキを掛けたら、チェーンを張る事によって後輪に駆動力は与えられるのでしょうか?
    旋回中にクラッチを切る(動力の遮断)、旋回中にリアブレーキを掛ける(後輪に動力を与える)と云った相反する行為をバイクに与える訳なのですが如何なのでしょうか?

    何故、その様な発想が浮かんだのかと言いますと、クラッチを切って小回り転回中に何かが飛び出して来た時、リアブレーキを途中から踏んでいれば後輪が安定して転倒をせずに済むかと考えたのです。

    長々と長文、乱筆となりましたが宜しくお願い致します。

    1. Gon-K より:

      はぅさん
      早速のレスありがとうございます。
      結論から言うと、リアブレーキを踏んでも駆動力には変換されません。バイクが倒れるのが早まるだけだと思います。リアブレーキを踏んで大きくリアサスが沈む状況では、確かにチェーンが張りますが、交差点の低速走行ではそこまでのサスの縮みはないかと。それから、バイクが起き上がって安定しようとするジャイロ効果は後輪が自律的に回転して初めて生まれるため、リアブレーキをかけることとジャイロ効果が生まれることの間には関連がないと思います。むしろリアブレーキはジャイロを止める働きをします。
      つまり、クラッチを切ることとリアブレーキを踏むことは、相反する操作ではなく、どちらもバイクを倒す方向に働きます。教習所のスラロームなんかでリアブレーキを踏んで倒し込みのきっかけにしましたよね。

      クラッチ切ってバンクし始めた時って、バイクはジャイロ効果がかかってない状態なので倒れこもうとしてますよね。そこでリアブレーキをかけると、今度は倒れこもうとするバイクを後ろから引き止める形になるので、さらに倒れこみやすくなります(というか、ジャイロ効果もなくなるし遠心力もなくなるので確実に倒れるんじゃないでしょうか)。

      バイクが立ち上がろうとするジャイロ効果は、後輪が回転してバイクを前に押し出そうとする時に発生する力であり、リアブレーキによるタイヤと路面の摩擦はジャイロ効果と逆方向になります。

      半クラでゆっくり曲がりながら(駆動力をかけ続ける)、後輪ブレーキを軽くかけて(駆動力を抑えるけど完全には殺さないい)速度調整するのであれば、不意の飛び出しにも対応しやすくなると思います。ただし、停止の際はバイクを直立させる必要はあります。基本的にバンクしたまま停止はできないですから(トライアルのスキルがあれば別ですが)。

      答えになってますでしょうか?

  3. はぅ より:

    はじめまして、こんにちわ。
    毎回、大変に為になる講座を拝見させて頂いております。

    公道における左折時について質問があります。

    見通しが良い十字路で横断歩道、歩行者無しの状態のケースです。

    左折手前で十分に減速(ギアは2速)→イン側ステップに加重と同時にクラッチを完全に切る→リアへの動力を失ったのを利用して小回り→フラつく前に、瞬時に半クラで動力を伝える→左折小回り完了。

    この方法は正しいのでしょうか?
    教習所ではこの様な手法を教わらなかったのですが、先日ライディングスクールで左折小回りがどうしても苦手と言った所、この方法を伝授されました。

    曲がる時にクラッチを完全に切るのは後輪に動力が伝わらないので不安で質問をしたのですが、「クラッチを切るのは一瞬の1秒位だし、低速なので大丈夫!」とインストラクターの方に言われました。

    車種はホンダNC750Xです。

    宜しくお願い致します。

    1. Gon-K より:

      はぅさん
      コメントありがとうございます。正月からディープなご質問、いい感じです。
      ご質問の方法ですが、正しいか間違ってるかという点でいうと、正しいです。クラッチ切ってバイクを倒しこむ方法はクイックなターンでとてもよく使われる方法です。狭い路地の小回りでも使えて便利ですよ。バンバン使っていいと思います。気をつけるポイントとしては、
      1.周囲に明らかに人がいない時に使うのが無難
      クラッチ切っての倒しこみの場合、バイクが倒れてフロントタイヤが進行方向を向いたら速やかにアクセルを開けますよね。そうしないとバイクはそのまま倒れます。例えば、交差点でバイクを倒し込んで、さあアクセルを開けようと思った時に横から人が出てきた場合、アクセルが開けられなくなるのでそのまま倒れてしまいます。クラッチ切るとバイクはパタンと倒れるので、足出しで態勢を立て直すのは辛いと思います。NCもそれなりに重いですしね。
      2.路面が滑りやすい場合は注意しましょう。
      一度クラッチを切ってから再度クラッチをつなぐ場合、後輪に急に駆動力がかかります。もちろんジワっとクラッチをつないでやるのが基本なんですけど、うっかりラフにクラッチをつなぐと後輪が流れやすいです。ダートの場合これでテールスライドさせて小回りすることもできますが、アスファルトの上で後輪のスリップをコントロールするのはかなりの高等テクです。雨の一般道では注意が必要です。
      教習所で教わる運転技術は世の中にあるバイクコントロール技術の1/1000くらいだと思ってください(もっと少ないかも)。教習所で教える内容が役に立たないということではなく、バイクの運転技術はそれほど奥が深いと理解してもらえればいいと思います。ですから、いろんな人が言う乗り方をどんどん試してみて、これはイケると思った技術をどんどん使っていきましょう。

コメントを残す

*