見通しが良い交差点ほど注意−コリジョンコース現象−

あなたはコリジョンコース現象って聞いたことありますか？

何もないひろーい平地の交差点、信号もなければ視界を遮るものもない。例えば広い田園地帯にある農道とか、北海道あたりの田舎で見かけるまっすぐな道の信号のない交差点とかイメージするとわかりやすいです。

今日の記事は、そんな牧歌的な場所は出会い頭の衝突リスクが高いというお話。

コリジョンコース現象

コリジョンコース…なんかフレンチのコース料理みたいな名前ですが、残念ながらおいしいいものではありません。

コリジョン＝衝突、コース＝進路なので直訳すると衝突進路現象みたいな感じでしょうか。つまり、そのまま進むと衝突必死、「絶対ぶつかるぅー！！」って現象です（いや、マジで）。

視野の端は認識しにくい

人間の性質上視野の端っこにあるものは認識しにくいです。あなたも経験があると思うけれど、視野の端に何かあっても中々気がつかないですよね。つまり存在を意識できない。

もし「なんかあるなー」って意識するのはそれが動いた時ってことが大きんじゃないでしょうか。そう、視野の端にあって、なおかつ静止しているものって認識し難いんです。

広い平地で直角に交わる交差点では、この人間の性質がリスクになります。

例えばあなたはバイクでまっすぐな農道を走っています。そして、その道と直角に交わる道を車が走っていたとしますよね。

おたがい50 km/hくらいで走っていたとします。

そうすると、おたがい直角に交わる軌道を同じ速度で走っているので、一方から他方を見ると一見動いていないように見えるんですね。

動いていないということは、どこまで行っても自分との距離が保たれているように感じてしまうリスクがあります。

そしてもっと怖いのは視野の端にあるので意識しにくいこと。

動いていないように見えるというよりも、動いていないのでその存在を認識できないといリスクもあるんです。

ななめ前は認識しにくい

これ、四輪あるあるなんですがななめ前にある物は視認され難いです。

四輪に乗る人ならわかると思いますが、四輪の窓にはピラー（柱）があります。このピラーが曲者。要するに、ななめ前にいるにいる車両（歩行者でも）が離れたところにある場合、すっぽりピラーに隠れてしまいその存在に気がつかないことがある。

田園地帯で四輪のななめ前に見える車両は、もしかするとピラーの影にすっぽり入って見えていない、つまり四輪にとっては存在していないも同然の可能性があるんです。

特にバイクは小さいのでリスクが高いです。

ななめ前＋等速＋ピラーの影＝コリジョン

つまり、直角に交わる道でそれぞれの道を同じような速度で走る車両同士は、お互いを認識しにくいということになります。また、四輪の場合特にピラーの影にいる車両の存在がより認識しにくくなります。

そんな状況で交差する道の両車がそのまま走り続けると、交差点にきて初めておたがいの存在に気づき、でも時すでに遅し、コリジョンしちゃいます。

もちろんピラーがないバイクにとっても直角に交わる道を等速で走る車両を認識しにくいというのは同じこと。うっかりするとコリジョンしかねません。

怖いですよね…

なんか理屈っぽいこと言ってるなあと思うかもしれないですが、このコリジョンコース現象ってけっこう多い事故です。十勝型事故とか田園型事故って名前がついているくらいですから。

だだっ広い信号のない交差点は要注意

ツーリング先でだだっ広くて信号がない一見安全そうな道にであったら、特に意識して交差する道の車両の存在を確認しましょう。そして、交差点進入時にはあえて減速して左右を確認することをお勧めします。

自分も相手もお互いを認識していない場合もあるし、こっちが気付いていても向こうが気付いていない場合もあります。

大切なことなのでもう一回書きます。ツーリング先でだだっ広いところで交差点が近くなったら、首をブンブン振って左右を確認しましょう。

そして交差点では減速しましょう。

安全で楽しいバイクライフを！

追伸

今回の記事はブログ読者の街もオフも直線番長さんから話題提供いただきました。番長さんありがとう！